平成17年5月2日(月)−4日(水) 快晴
安達太良山・一切経山・磐梯山 1700m/1949m/1819m
【 ル ー ト 】
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2日 安達太良山=歩行時間:4時間10分、駐車場:奥岳駐車場
沢山駐車可WC有り、三角点:二等「大関平」 磐梯吾妻スカイライン:普通車1,570円、磐梯山ゴールドライン:普通車730円 |
【 メ ン バ ー 】 |
単 独 |
連休中の5月2日午後3時頃に東北南部山行に出発する。今回は安達太良山・磐梯山・吾妻山の3山が目的である。行きはR50号で栃木県へ、R4号で福島県に入る。二本松市でR459号に乗り移り、安達太良山の登山口である奧岳駐車場に深夜10時に到着する。車中で夕食を取り、朝までシュラフにもぐり込み仮眠をとる。外が明るくなってくると、思いのほか駐車場が広く、既に十数台車が駐車されていた。軽く朝食を取り、出発の準備を行い、6時少し前に登山口を出発する。 安達太良山・薬師岳 「安達太良山登山口(写真1)」付近には、カタクリと今年始めて見る「猩々袴(写真10)」が咲いている。最初から和やかな気分で歩き始めることが出来た。最初は林道を進み、直ぐに「五葉松平ルートへの分岐(写真2)」にでる。そのまま林道を歩くことになるが、道の回りは落葉松林で、そのまま進むと水量の豊かな沢に行き当たる。沢に架かる烏川橋を渉りしばらく進むと、林道をショートカットする直登ルートになる。このルートは、所々雪も残っているのと滑り易いので、この時期は林道をそのまま進む方が正解かもしれない。途中2度林道に出るが、3度目でまた林道に戻ることとなった。 ここからは道が緩やかになるとともに、ほぼ残雪を踏みしめての歩きとなった。緩い道を登り切ると広々とした「勢至平(写真3)」にでる。前方には安達太良山から鉄山までの荒々しい峰々が目に飛び込んで来た。しかし名前に比して何と荒々しい山なのか、立ち止り見取れてしまった。勢至平で峰の辻に直行する分岐を通り過ぎ、鉄山方向に向って進んでいくと、道が下降しだす。鉄山の真下に「くろがね小屋」が見え出すと、塩沢温泉ルートを合流する。下りきった所に太陽電池パネルが取り付けられた立派な建物の「くろがね小屋(写真4)」が建てられていた。ここで一休憩するが、くろがね小屋は温泉のある小屋である様である。小屋から馬ノ背に直登するルートは柵で塞がれ、通行禁止となっていた。峰の辻に向う雪が張り付く急登を攀じ登ると、雪が切れガレて岩がゴロゴロの登りとなる。意味不明(トイレか?)の小さな建物を過ぎると道が緩くなり、何時しか「雪面の広がる斜面(写真5)」をトラバー気味に登って行くと峰の辻に着いた。峰の辻から馬・牛ノ瀬稜線の中間部へは矢筈森の下を廻り込むように10分程度雪面を登ると到着する。 稜線に出ると、そこは冷たい風が強く吹いていて、鉄山へは向かい風で吹き飛ばされそうで取りやめ、真直ぐ安達太良に向うことにする。牛ノ瀬の右側は、荒涼とした火口跡の沼ノ平と囲むように船明神山が突き出ている。約15分で「安達太良山頂(写真6)」に着く。 山頂からは、歩いて来た「牛ノ瀬と馬ノ背・鉄山・箕輪山(写真7)」が、その先には吾妻山域が望める。西には、霞んではいるが磐梯山も望めた。一時景色を眺め、眺望を楽しみながら休憩する。奥岳登山口には、五葉松平ルートを通り帰ることにする。ひとまず、ロープウェーのあだたらエクスプレス駅のある薬師岳まで下ることにする。岩場の急登を下ると砕石が敷かれ周りが笹原の緩い道になる。ここで表登山道の分岐を通り越すと、雪が融けずに残り五葉松を縫うように進むようになり、木道が出始めるとロープウェー駅は近い。薬師岳展望台は見晴しの良い岩場で、多くの人が憩んでいた。見上げると今登って来た「安達太良山(写真8)」が望めた。 展望台から急な下りが続く、一部雪で本当のコースが不明な部分も有り十分注意する必要もあった。しかし注意していたが階段を踏み外し転んだ拍子に左手を付き手首を負傷する。…が歩くには問題はなかった。スキー場に入って来ると奥岳登山口は近い。スキー場から林道に出ると10分あまりで登山口で10時過ぎに着いた。 奥岳駐車場から県道本宮土湯線を進みR115号に乗り移り、土湯峠で『磐梯吾妻スカイライン』で浄土平に向った。浄土平に近い所のスカイラインの 一部では、雪が深く低いが道が「雪の壁(写真11)」になっている場所も見られた。浄土平の有料駐車場に11時過ぎ到着する。 一切経山 駐車場から湿原の木道を通り、「一切経山登山口(写真12)」まで進む。登山口からガレた登山道を進み、雪融けで多い水量の流れる小川を渡り、少しの区間雪原を登る。雪原を抜けると岩だらけの本格的な急登が始まり、この登りが本日二山行目の体に応えた。きつい登り部分を休み休みしながら、ほぼ登り切り、降り返ると形の良い「吾妻小富士(写真13)」が素晴らしい。また、雪が多く残る「鎌沼方面(写真14)」も奇麗である。降ってくる人に尋ねるとここが丁度三分の一らしいが、先の方になだらかな「一切経山(写真15)」が見えるように、もうきつい登りは無いようである。 ここから約20分でだだっ広い「一切経山頂(写真16)」に到着した。ここもやはり安達太良同様冷たい風が強い。山頂では、「NHK(写真17)」が奥羽山脈をテーマにした番組を撮影していた。東北地方のみ番組の様で13日7時半(pm7:30?)からの放送と話していた。この山頂は、展望が最高で、360°のパノラマである。特に北側に「凍った五色沼(写真18)」、北西側には「西吾妻山域(写真19)」が素晴らしい。寒いこともあり休憩後、山頂を早々に引き返す(写真20)。 降る途中、南西側に沢山の雪を積もらせた「前大巓(写真21)」をかなりの登山者が歩いているのが見えた。午後2時前には駐車場に帰り着いた。吾妻小富士は、行楽客が雲霞の如く登っていて、登る気力が無くなってしまった。ここでこの日の行程は終了したが、明日の磐梯山に備え出切るだけ近くに進めておく必要があった。 浄土平からスカイラインを戻り、料金所からR115号に車を進め、R459号で桧原湖方面へ、そして磐梯山ゴールドラインで磐梯山八方台登山口で、ルートの状況を下山者から情報収集して、ゴールドラインを猪苗代湖側に降り、料金所の所にあった日帰り温泉「スパアルツおおるり」で温泉につかり体をサッパリさせ、おおるりにお断りして駐車場で車中泊させていただいた。 磐梯山 4時頃目覚めると少し肌寒い。5時45分に磐梯山ゴールドラインの入口に並んで6時の開業を待っていると、5時50分に通行が再開される。途中、黒々とした「磐梯山から日(写真22)」が顔を出しそうで日の明るさが円形に放射している。八方台登山口に6時10分過ぎに到着し、「登山口(写真23)」から6時半前に歩き始める。 最初は林間の雪が融けにずに残るコースを進んでいく。20分強の歩きで、硫黄臭のする「中の湯温泉跡(写真24)」を急ぎ通り過ぎる。跡地から階段を上がり直ぐの所に、裏磐梯登山口からの合流点がある。ここを過ぎるといよいよ本格的な登りとなる。「崖沿いにルートが(写真25)」設定されていて、所々危険柵があるが、同所からがかえって展望はよい。この急登を登り切ると、道が左側へ巻くように緩く登っていくことになる。ここも雪が所々に残っていて、帰り注意を要する場所のように感じられた。ここを過ぎると、お花畑や清水のある四合目(写真26)に到着する。 ここからは、雪面のいたる所に足跡が残っていて、その中の一つでほぼ直登している痕跡に沿って登ってみた。途中、低木のブッシュを越すことになり歩きにくかったが、約30分の登りで山頂直下の登山道に躍り出た。この登山道を歩き始めると、山頂から下ってきた登山者と遭遇する。時間的には私と同じ時間程度で登ったようである。少し意見交換後別れ、山頂への最後の凍った登りを駆け上がった。 「磐梯山頂(写真27)」は、意外と広いが岩がゴロゴロしている。また売店なのか「岡部小屋(写真28)」が半分埋まるように建てられていた。山頂からは、爆裂火口を挟んだ「櫛ヶ峰(写真29)」が良く見える。また、多少ガスっぽいが、「猪苗代湖の全景(写真30)」が見渡せた。その他、うっすらとであるが、安達太良・西吾妻山・飯豊連邦も見通せラッキーであった。この山行を通じて共通するのは、天気は快晴であるが冷たい風が強く吹いていたことで、磐梯山も例外でなかった。寒いこともあり景色をカメラに納めると直ぐ下山することとした。 帰りは、四合目まで直下行するのでなく、「登山道(写真31)」に沿って下る。四合目付近で、弘法清水小屋の女性従業員とすれ違うと直ぐ「お花畑への分岐(写真32)」となった。あとは登ってきた道を忠実に下るだけであるが、崖に沿う急登で思わず「檜原湖(写真33)」が美しく、立ち止まりしばし見とれてしまった。その間にも登山者がどんどん登ってくる。 中の湯跡で多くの人が空を見上げているのに遭遇する。何事かと思い進んでいくと、高齢の登山者が倒れ、心臓マッサージなどを行っていた。私が『どうしたのですか』と訪ねると、側に佇む若い女性(親子関係のよう)が『ヘリが来るのを待っているのですと』か細く答えてくれた。それでみんな空を見上げていたのである。ここに私が止まっても何にもできないので、立ち去ることとした。立ち去ると直ぐにヘリが飛んできて現場を旋回している。そして登山口までの間に「警察の方(写真34)」と救急の方とすれ違い、現場まで時間を教えて、そのまま登山口に帰り着いた。 ここで、西吾妻山へ向かうべきか、そのまま帰るべきか迷ったが、倒れられた方を見たこともあり、無理をせず群馬に帰ることに決定し、行きとはうって変わり高速を利用して戻った。非常に疲れた3日間であった。 |
ル ー ト 上 の 風 景
1 安達太良山 |
2 勢至平・ |
3 勢至平 |
4 くろがね小屋 |
5 峰の辻 |
6 安達太良山頂 |
7 牛・馬ノ瀬と鉄山 |
8 薬師岳から仰ぎ |
9 スキー場内 |
10 登山口で咲く |
11 磐梯吾妻 |
12 一切経山 |
13 急登上から |
14 急登上から |
15 一切経山 |
16 一切経山頂 |
17一切経山頂で |
18一切経山頂から |
19一切経山頂から |
20 一切経山 |
21
雪面広がる |
22 日出る寸前の |
23 八方登山口 |
24 硫黄臭のする |
25 崖沿いの急な登り |
26 磐梯山最後の |
27 岩だらけの |
28 磐梯山頂にある |
29 磐梯山頂から |
30 磐梯山頂から |
31 急登の雪面の |
32 お花畑への分岐 |
33 崖沿いの急登 |
34 救助のため |
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ショウジョウバカマ(猩々袴) ユリ科 学名:Heloniopsis orientalis 花期:春 日本各地の山地で少し多湿なところにはえる常緑の多年草です。和名は花を猩々(しょうじょう;猿の一種)の赤い顔,葉の重なりを袴にみたてたものということです。 ***Botanical Garden から転載*** |