平成17年6月25日(土) 快晴
トマの耳・オキの耳・一ノ倉岳・茂倉岳・矢場ノ頭
 1968m/1977m/1974m/1978m/1490m

【 ル ー ト 】

 白毛門沢駐車スペース(6:45)→(20)谷川岳ベースプラザ→(2)谷川岳ロープウェー駅⇒〔11〕天神平駅→(33)熊穴沢避難小屋→(24)天狗の留り場→(33)肩ノ小屋→(6)トマの耳→(10)オキの耳→(40)ノゾキ→(3)鞍部→(18)一ノ倉岳→(24)茂倉岳→(11)茂倉岳避難小屋→(17)1683mピーク→(25)矢場ノ頭→(67)駐車場緑地→(26)土樽駅⇒〔12〕土合駅→(10)白毛門沢駐車スペース(15:44)

 歩行時間:6時間9分、駐車場:白毛門沢駐車スペース40台程度 WC無し、三角点:トマの耳 「亡失」、一ノ倉岳 一等 「谷川富士」、茂倉岳 「亡失」

【 メ ン バ ー 】

単       独


 梅雨入り、なかなか山登りも計画的に行えない時期である。梅雨の中休み……イエイエ殆んど雨らしい雨は降っておりません。もしかすると水不足も懸念される今日この頃です。ヤマラーにとっては、この機会を逃がす訳には行きません。6月は春から初夏にかけえての花々が乱れ咲く季節でも有るのです。この週末は雨もなく、好天が期待出きるようなので、色んな花が咲く谷川に出かけることとしました。
 ルートは、7時の始発ロープウェーに乗り天神平へ、天神平から熊穴沢避難小屋→谷川岳→茂倉岳・武能岳→蓬峠ヘ、峠から土合ヘ下る予定で出かける。白毛門沢の駐車場に7時
15分前に到着する。20分程度路上を歩きロープウェー駅に、片道1000円で天神平に上る。7時30分少し前に歩き出す。歩き出して直ぐに、友人であるグンサン夫婦とバッタリ遭遇する。のんびり谷川岳の往復を行うようである。私は少し急ぐ旅なので、そこで別れ先を急ぐように進む。
 
天神から山道に入ると、始発で来た方々が列を成して登って行くので、少しづつ追い抜いて行く。登山道の両脇には岩鏡(小岩鏡も含む)が途切れることなく咲いている。また、「舞鶴草(マイス゛ルソウ)(写真12)」と褄取草(ツマトリソウ)もほぼ全ルート上で見かけられた。熊穴沢避難小屋を越えた森林限界までは、所々で蕾の「雪笹(ユキサ゛サ)(写真11)」が見かけられた。途中湿り気のある斜面に「山荷葉(サンカヨウ)の花(写真9)」が慎ましく咲いている。さらに同地点の上部側斜面には、花期最後と思われる「延齢草(エンレイソウ)(写真10)」2株程がまだ花を付けている。
 
30分程度で熊穴沢避難小屋に到着、皆さんがここで一休みするので、私はそのまま通り過ぎる。ほぼ森林限界に近いため、高木はほとんど無くなり眺めは良好となる。…がその分真夏なみの陽射しが容赦なく照り付けて来る。また急な勾配の登山道がこの先まだまだ続く。一際急な勾配の道を登ると少し広い場所があり休憩に打って付けであった。同所には「裏白瓔珞(ウラシ゛オヨウラク)(写真14)」と「谷空木(タニウツキ゛)(写真13)」が咲誇っていた。また「名の判らぬ白い花(写真15)」も咲いていて、よくよく見ると可愛い花の集合体である。
 
写真撮影と一時の休憩をとり谷川岳山頂めがけ先に進むことにする。前方に大きな岩が見えて来るが、天狗の留り場のようである。空腹のためか少し体が重く感じだしている。早く空腹を満たすために少し足を早め、天狗には約1時間で到着する。岩場に上り景色を眺めながら一個目のオニギリを頬張る。やっと腹具合も落ち付き景色に目を向けると、進行方向に「雪渓が残る谷川岳(写真1)」がドッシリと構えている。西側には少しもやっているが朝日岳、東側にオジカから万太郎へのびる稜線が望めた。次から次へ登山者が登って来るので、ゆっくりしている雰囲気でもなく肩ノ小屋目ざして出発する。
 
見晴らしは最高なのだが、真夏なみの陽射しが用捨なく降り注ぎ、体力を殺いでいく。土石流出防止を兼ねた階段工が現れると.、直ぐにその先で雪渓の歩きとなる。雪渓は階段状に道形を造った痕跡があり歩きやすい。雪渓を登り切ると肩ノ小屋は直ぐであった。肩ノ小屋から「オジカ沢ノ頭・万太郎山(写真2)」がキレイに望めた。小屋からトマの耳は5分程度で到着する。かなりの人々が頂上でひしめいている。前方に「オキの耳(写真3)」が鋭鋒を見せている。オキへもかなりの数の人々が向っている。前回来たときもトマからオキ間に色んな花が咲くお花畑なので今回も期待ができた。
 
次々と花々が現れ目を楽しませてくれる。特にオキの耳の直前の岩場では、「黄花の駒の爪・白山小桜・白山一華・稚児車 (写真1821)」などが咲いている。また、蛇紋岩帯である谷川岳・至仏山だけに見られる固有種の「細葉雛薄雪草(ホソハ゛ヒナウスユキソウ)(写真22)」も見ることができラッキーであった。オキの耳は、トマに比べるとさすがに人は少ない。ここでまだ10時少し前であったが、先はまだまだ長いので直ぐに出発する。
 
山頂を後にすると直ぐに奥の院があり、その後の鞍部までの下りが本縦走ルート中一番歩きにくい岩場かも知れない。蛇紋岩は滑り易いので足場が安定せず、雨などが降ると最悪のコースに変化する所である。岩場を下る途中、茂倉岳から土樽へ下る老齢のハイカーにであった。話を聞くと土樽駅1520分発の電車があるらしい。私もこの暑さでかなり体力的にまいってきているので、武能岳経由で土合行きは厳しいと感じていた。…茂倉での状況によっては、土樽へ下ることも考慮しようと考えた。
 
鞍部に下りきると、そこに「深山苧環(写真24)」がひっそりと咲いている。また紫の「白山千鳥(写真23)」目立つようになる。さあ、ここから一ノ倉岳への登り返しが始まる。この登り、この暑さでかなり体に応える歩きになった。頂上には、かまぼこ形の避難小屋と山名板が、そして前回位置が不明だった一等三角点は笹藪の中にあった。山頂においてビールでのどを潤し、さらにおにぎりで腹を満たす。一ノ倉から「谷川岳(写真5)」を望むと、オキとトマの鋭角な二峰がそそり立ち、その向うに肩ノ小屋の屋根も見える。また進行方向には、緩やかな山体の茂倉岳が彼方に見える。
 
丈の低い笹の中の道を進んでいくが、直ぐに「岩銀杏(写真25)」と「白根葵(写真26)」が現れる。花を楽しみながらなだらかな斜面の道を下っていくと、茂倉山頂手前の鞍部に「雪渓(写真6)」が広がっていた。雪渓を歩き、笹の中の道に戻りほんの少し登り返すと茂倉岳頂上である。頂上には山名板を兼ねた指導標が設置され、武能岳方向と土樽への下山方向が示されていた。この日は体力的に限界なのか、武能岳がやけに遠く感じ、その後の蓬峠そして土合までの下山が厳しいと思えたので土樽に下ることにする。
 
少しガレた道を土樽方面に下っていくと、10分程度で茂倉岳避難小屋に到着する。小屋は写真で見て感じていたより、より厳しい地形の位置に建てられていた。本日宿泊するという学生2人と少し話をしながら休憩し、土樽駅へ急ぐことにする。感じたこととして一ノ倉を境にこちら側は、道脇に「赤物(写真16)」が非常に多く咲いていたことである。20分弱で前衛の1683mピークに到着する。
 
同所で、土樽の電車時間を教えてくれ、先行していた老齢のハイカーと再度会うことになった。彼は、昼食休憩しており、言葉を交わした後、私は先を急いだ。この当たりから、少し道が崩れたりしていて気持ち荒れている感じがした。いったん下った後、矢場ノ頭への最後の登り返しとなる。登り途中、今回の山行ではほとんど蕾しかなかった「小梅形草(写真28)」が唯一花を咲かせているものを見かけることができた。
 
矢場ノ頭へは、茂倉から1時間弱で到着する。下ってきた方向を振り返ると{茂倉岳(写真7)」が大きな山体を左右に広げている。山頂からいつもと異なる裏側からの万太郎山を堪能しながら、最後のおにぎりで腹ごしらえ行った。しばらくすると、老齢の2人組が下ってきたので、1683mピークの老齢ハイカーのことを訪ねると、『怪我をしてかなり顔から血を出していたよ』と教えてくれた。歩けるのか訪ねると、足は大丈夫とのことでそのまま下ってきたらしい。1683mピークを見ているとハイカーが下って来ているのが見えたので安心して、頭を後にした。
 
頭が森林限界らしく、以降「樹林帯(写真8)」の中の歩きとなった。この道が、倒木や根っ子等によりかなり歩きにくい道で閉口したのと、ここからの距離が意外と長く辛い歩きになった。約1時間強で、駐車場緑地に到着できた。ここからは舗装された道で、途中湧き水場所でおみやげ用の水を補給して、25分位かけ土樽駅に到着できた。
 
無人の土樽駅で1522分発水上行に乗る。車内で車掌から土合駅までのキップ(230)を購入する。電車は清水トンネル内を通過するため車窓の景色は何もない。トンネルを抜けると窓が白く曇り、正味12分で土合駅に到着する。駅から10分の車道歩きで白毛門沢の駐車場に帰り着いた。今回、その他見かけた花で名の判るものは、タムシバ・銀竜草・立山竜胆・信濃金梅などであった。

ル ー ト 上 の 風 景

1 天狗の留り場
から谷川岳

2 肩ノ小屋から
オジカ・万太郎山

3 トマの耳から
オキの耳

4 一ノ倉岳から
茂倉岳

5 一ノ倉岳から
谷川岳(トマ・オキ)

6 茂倉岳頂上
直前の雪渓

7 矢場ノ頭から
茂倉岳

8 土樽へ樹林帯
の歩き難い道

9 山荷葉
(サンカヨウ)

10 延齢草
(エンレイソウ)

11 雪笹
(ユキサ゛サ)

12 舞鶴草
(マイス゛ルソウ)

13 谷空木
(タニウツキ゛)

14 裏白瓔珞
(ウラシ゛ロヨウラク)

15 ?

16 赤物
(アカモノ)

17 御前橘
(コ゛セ゛ンタチハ゛ナ)

18 黄花の駒の爪
(キハ゛ナノコマノツメ)

19 白山小桜
(ハクサンコサ゛クラ)

20 白山一華
(ハクサンイチケ゛)

21 稚児車
(チンク゛ルマ)

22 細葉雛薄雪草
(ホソハ゛ヒナウスユキソウ)

23 白山千鳥
(ハクサンチト゛リ)

24 深山苧環
(ミヤマオタ゛マキ)

25 岩銀杏
(イワイチョウ)

26 白根葵
(シラネアオイ)

27 ?

28 小梅形草
(コハ゛イケイソウ)


 サンカヨウ(山荷葉) メギ科 学名:Diphylleia cymosa ssp. grayi 花期:春〜夏  深山の林の中に生える多年草です。大きな葉が 2 枚あります。6 弁の白い花の後に、濃い青紫の液果をつけます。名前は漢名からきたものです。
 エンレイソウ(延齢草) ユリ科 学名:Trillium smallii 花期:春  山地のやや湿り気のある林の中に生える多年草です。茎の先に 3 枚の葉を輪生し、その先から花柄を出して花をひとつつけます。褐色のものは外花被で、内花被はないことが多いです。
 ユキザサ(雪笹) ユリ科   学名:Smilacina japonica 花期:春〜初夏  白い花を雪にたとえ,葉が笹のようであるからという命名です。
 マイヅルソウ(舞鶴草) ユリ科 学名:Maianthemum dilatatum 花期:晩春〜初夏  東アジア北部に分布します。日本では北海道から九州の山地帯丈夫〜高山帯の林の中に生える多年草です。
 タニウツギ(谷空木) スイカズラ科 学名:Weigela hortensis 別名:ベニウツギ(紅空木) 花期:春  5 月頃にハイキングしていると新緑の中に真っ赤な花があります。スイカズラ科のタニウツギがそれです。
 アズマツリガネツツジ(東釣り鐘躑躅) ツツジ科 学名:Menziesia multiflora 別名:ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)、ツリガネツツジ(釣り鐘躑躅) 花期:春〜夏  釣り鐘形の花が下を向いて咲きます。 ウラジロヨウラクのうち、萼片の短い品種がアズマツリガネツツジだそうです。


 ハクサンチドリ(白山千鳥) ラン科 学名:Orchis aristata 花期:夏 高山の草地に生える多年草です。和名は、石川県の白山に多く,千鳥の飛ぶ姿ににていることからつけられました。
 ミヤマオダマキ(深山苧環) キンポウゲ科 学名:Aquilegia flabellata var. pumila 花期:春 高山の礫地に生える多年草です。栽培種のオダマキ(苧環)はミヤマオダマキの改良種と考えられているそうです。深山に生えるオダマキの意味です。苧環とは、つむいだ麻の糸を、中を空洞にして丸く巻き付けたものをいい、花の形がそれに似ているからつけられた名前です。
 コバイケイソウ(小梅形草) ユリ科 学名:Veratrum stamineum 花期:春 高山や深山の湿地に生える大形の多年草です。
                ***Botanical Garden から転載***

 ゴゼンタチバナ(御前橘) ミズキ科 花期:6-7月 名の「御前」は加賀の白山の主峰御前峰(ごぜんがみね)のこと。「橘」は葉と実がカラタチバナと似ていることからきた。亜高山帯の針葉樹林の林床や縁で群落をつくり、また高山帯のハイマツの縁でも見かける。高さ5-15センチ。菱形の葉は常緑で、4個か6個のものがあり、対生であるが輪生のように見える。花の咲く株は葉が6個のものである。白い花弁のように見えるのは苞で花は真ん中に20個ほどが集まってついている。どこの山でも普通に見ることができ、登山者にはなじみ深い花である。秋になると直径5-7ミリの赤い実を数個ブローチのようにぶらさげる。
 キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪) スミレ科 花期:6-8月 名は丸い葉を馬の蹄に見立てたところから来ている。花がほぼ同じ形と色をしているので、花だけではタカネスミレとの区別が難しいが、本種は葉の表面や縁にまばらに毛があり光沢もないことで区別する。生育地も主として草地であり、岩礫地に生えるタカネスミレと住み分けている。
 ハクサンコザクラ(白山小桜) サクラソウ科 花期:6-8月 高山の湿った草地や雪田の周りに群生する。別名をナンキンコザクラという。エゾコザクラの変種とされ、母種に比べ全体が大きく鋸歯が不揃いといった特徴がある。ハクサンは加賀の白山のことでここで最初に見つかったのでこの名がついている。会津駒ヶ岳から中門岳への縦走路の池塘に影を映して咲くこの花の群落は見事で、その美しさから多くの登山客をこの山へと引き寄せる。
 ハクサンイチゲ(白山一華) キンポウゲ科 花期:6-8月 高山のやや湿った草原などに大群落をつくり、どこの高山に行ってもよく見られるお花畑の主要メンバー。高さ15-40センチの茎の上部に5個ほどの花をつけ、花の直径は3-4センチで花弁はなく、花弁のように見えるのは萼であり数は5-7個。花の中央に多数の雄しべが密集している。全体に長い毛を密生しているが、成長に伴い薄くなる。
 ホソバヒナウスユキソウ  キク科 学名:Leontopodium fauriei var. angustifolium 東北の高山に生育するヒナウスユキソウの変種とされ、尾瀬の至仏山と谷川岳のみに特産するエーデルワイスの仲間です。文字通り小ぶりできゃしゃなウスユキソウです。
 イワイチョウ(岩銀杏) ミツガシワ科 花期:6-8月 別名ミズイチョウ。高山の湿原の池塘や水分の多いところに群生し、高さは20-40センチで直径1センチほどの星形に開いた白色の5弁花を上部に数花まとめてつける。花弁の縁が縮れている。葉は腎臓形で細長い茎を出す。


  

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