平成16年9月10日(金)−11日(土) 曇/快晴 
北大玉山・大朝日岳・平岩山・大玉山 1469m/1870m/1609m/1438m

【 ル ー ト 】

 9月9日:自宅(21:30)(三国)⇒山形県小国町道の駅『白い森小国』(3:15)(車中仮眠90分)⇒大石橋駐車場(5:15)(車中仮眠30分)

 9月10日:大石橋登山口(6:35)(18)祝瓶山分岐(40)角楢小屋(39)大玉沢出合(40)独標(879m)(26)蛇引の清水入口(60)大朝日岳・祝瓶山分岐→(−)北大玉山頂→(63)平岩山巻道分岐→(88)大朝日岳山頂→(12)大朝日避難小屋(15:30)泊

 9月11日:大朝日避難小屋(6:40)(10)大朝日岳山頂→(55)平岩山巻道分岐(3)平岩山頂(2)平岩山巻道分岐(20)平岩の清水(29)北大玉山頂(11)大朝日岳・祝瓶山分岐(47)大玉山頂(40)水場(7)赤鼻(92)祝瓶山・大石橋分岐→(鈴振尾根)→(83)鈴出の水場入口→(15)祝瓶山分岐(15)大石橋登山口(17:55)⇒小国町温泉健康館『ゆ〜ゆ』⇒道の駅『白い森小国』(車中泊)

 9月12日:道の駅『白い森小国』(3:15)⇒(一部関越利用)⇒自宅(8:10)

 9月10日 歩行時間:6時間26分、山と高原地図9:8時間40分、駐車場:大石橋登山口5台、手前の空地30台程度(無料)WCなし、大朝日避難小屋:1泊1500円、三角点:大朝日岳 ニ等「朝日岳」、蛇引の清水:往復10分(水汲み時間含む)

 9月11日 歩行時間:7時間9分、山と高原地図9:9時間45分、三角点:平岩山 三等「平岩」・大玉山 三等「大玉」、平岩の清水:往復15分(水汲み時間含む)、赤鼻付近の水場:往復15分(水汲み時間含む)

【 メ ン バ ー 】

単     独


 9月9日
 9
()、心配していた台風19号も熱帯低気圧に変わり、本州への影響もほぼ回避されそうなことから、兼ねて計画していた朝日連峰への山行を実行することにした。9日仕事終了後、すぐに自宅に帰り一泊山行の準備をする。今回は、避難小屋泊のため食料等を持ち込まなければならない。また、東北の山域であることから寒さ対策も万全を期す必要があった。
 21
時30分に自宅を出発、経費節約のため高速は走らず一般道で登山口のある山形県小国町に向かった。R17号で三国トンネルを抜け、新潟県に入る。小出町でR252号に乗り移り、会津方面に向かう。途中、守門岳方面に向かうR290号に入り、290号を延々走ることになる。最終的に290号は山形県小国町に向かうR113号に接続する。113号は25年位前に通った記憶があるが、今回通ってみると道は非常に良く整備されていた。113号沿いにある小国町の道の駅『白い森小国』に10日3時30分に到着する。運転疲れもあり、ここで1時間半ほど仮眠をして過ごした。5時に登山口である大石橋に向かう。大石橋駐車場へは、約30分程度で到着できた。

 9月10日
 
駐車場で4人グループが準備をしていたので、話をするとこの先に5台位駐車できるスペースがあるが満車でここに駐車するよう教えてくれた。この4人グループは、沢登りを行う装備で出かけていった。私はここでも30分ぐらい目をつぶり、疲れを振り払う。また朝食にバナナとおにぎり1個を食し、気持ちを奮い立たせる。6時過ぎに歩き始める支度に入り、念入りにチェックを行い過不足無いようザックに必要な荷物を詰め込み準備万端を図った。ザックを背負ってみるとかなり重く、肩に食い込んでくる。ふとこの調子で歩き通せるのか不安がよぎったが、6時35分、大石橋で登山者カードを記入して出発する。
 
まず荒川右岸の川岸を20m進むと、吊橋である大石橋(写真)で左岸側に渡ることになる。大石橋は羽目板が4枚分の巾に2枚しか敷設していなく、また結構揺れるので注意が必要な橋である。橋から左側に進み大石沢を飛石伝いに渉ると、作業道だったと思われる巾広い道になり、ゼンマイ作業のための大石沢小屋の脇を通りぬける。この辺りからブナ林の中の快適な歩きがしばらく続くことになる。鈴出沢を渉ると直に右祝瓶山への分岐の標柱が立っている。標柱を直進すると、まもなく一本吊橋の白布吊橋(写真)を渉ることになる。この橋は踏板一枚分の巾で、2本のワイヤーの間に踏板を挟み、ワイヤーが纏まらないようにしている橋である。大石橋よりは揺れない分安心感がある。白布を渡り荒川の右岸をまたしばらく歩くが、途中白布沢を飛石で越えブナ林の中、先を急ぐ。次にまた細い丸太の一本吊橋である角楢吊橋(写真)に至り、左岸に渉りきり少々登ると角楢小屋に到着する。大きなバンガロー風の三角小屋が二棟で、この日は誰も居ないようであった。
 
ここから、見事なブナ樹林帯の中の歩きとなる。途中、ブナの大木が倒れ道を塞いでる所が数ヶ所あり、今年の台風の爪痕かと思うとその凄さをあらためて思い知った所である。角楢小屋から最後の一本吊橋の大玉沢吊橋までは、少し長い距離荒川左岸を歩き続けることになる。大玉沢吊橋は、今までの中では一番巾狭いが特に問題は無い。
 橋を渉ると荒川と大玉沢に挟まれた尾根の本格的な登りとなる。この尾根は、松の尾根と呼ばれるらしく意外と手強い。また、展望もない無い事から、疲労感も倍加する。また、標高が概ね550
mから1400mまでひたすら登る本ルート最大の難関路でもある。登り始めてすぐに遭難者慰霊碑が岩に埋め込まれていた。周辺には白い花の穂躑躅と黄色の秋の麒麟草が咲いている。さらに登って行くとブナの木に注連縄が掛けられている。その形から『山ノ神』の象徴を祀っていることがわかる。このあたりから寝不足がきいて登ることが苦しい。休み休み879mの独標を通過すると、多少木々の間から袖朝日岳〜西朝日岳に至る稜線も見えやすくなってくる……と、『蛇引の清水』の標識にたどりつく。清水は往復10分程度で、冷たくて旨い清水で、生き返るお思いである。清水から急な沢地形を一登りするといきなり視界が開ける。森林限界を越え、尾根に出たのである(写真)。右後方に急峻な祝瓶山が、その遙か後方に飯豊連峰が幽かに見えている。見晴らしの良い尾根には蝦夷竜胆が咲き乱れ、疲れた体を癒してくれる。祝瓶山〜大朝日岳の稜線に合流すると標柱があった。時間は12時8分で、ここまで5時間半で予定通りであるが、予想以上の疲労感があった。このまま進むかどうか躊躇いもあったが、ここから稜線の見晴らしの良い歩きなのでこのまま予定通りに前進することとした。
 
一休憩後、合流点から北大玉山に向けて歩き出すが、気持ちほど足が前に進まず、重く感じる。こんもりと見えた北大玉山は、標識や山名板等はなく、背もたれに良さそうな大きな岩がニョキッと出ている、また自然区域指定の折れた標柱が置かれていた。前方には、これから向かう丸くドッシリした平岩山が流れる雲に見え隠れしている。またその先にあると思われる大朝日岳は雲に覆われ、まったく姿を見せてはいない。後方には丸味のある大玉山とその先に鋭角で荒々しい祝瓶山が対照的な姿を見せていた。
 
平岩山に向け稜線を下っていくが、足が攣りそうになり、ここから先はあまり無理な歩きは出来なくなり、ゆっくりだましだましの歩きが続くことになった。またこの辺から西風が徐々に強さを増してきて、この先の歩きに不安がよぎる。しかし、稜線上の蝦夷竜胆や梅鉢草などの花々を見ながら何とか歩き続ける。最鞍部に至り登り返してすぐに『平岩の清水』の入口に到着するが、そのまま通り過ぎ先を急ぐ。平岩山への最後の登り部分では、雲が稜線を超える時にパラパラと雨を落とすのと、風も強く冷たいこともあり、寒さ対策も兼ねレインウェアーを着用する。さらに15分登り詰めると、平岩山巻道分岐に到着する。天候が良ければ、目の前に大朝日岳がドッシリ構えているはずであるが残念である。また分岐周辺もガスってきており、迷いそうなので平岩山頂は明日立ち寄ることにして、そのまま大朝日岳に向かう。
 
分岐からはガレ荒れている幅広い稜線で、足を引きずるように下っていく。鞍部からは約350mの登り返しで、ますます強まる風が心配である。吹き飛ばされないように少し前屈みでジグザクにガレ場を登っていく。一つ目そして二つ目の突起を越え高度を上げるに従い、前進するのが辛くなるような強風になってきた。ここからは気持ちだけでほとんど足が前に進んでいない状況がしばらく続く。ふとガスの中に山頂の標柱とケルンが見えたときには、本当にうれしくなり、疲れた足の何のその、走り出してしまった。標柱に左が『大朝日小屋』と明示されていたので、迷うことなくすぐに山頂を後にした。南北方向に細長い山頂を北に進み、道沿いに下っていくがガスでなかなか小屋が見えず焼きもきする。10分程度でフワァと小屋の屋根がうっすらと見えた。そのときの気持ちは、遭難者がやっとの思いで捜索者と逢えたときのうれしさに近いかも知れない。
 大朝日避難小屋に1530分に到着する。小屋は二階建ての立派な建物であった。中に入っていくと下駄箱があり、シューズが4足ほど置かれ、すでに到着者が居るようであった。靴を脱いでいると、ご婦人がトイレから出てこられ、管理人がおり宿泊は二階であること等を教えてくれた。管理人室に伺い1500円を支払い二階に上がる。夫婦連れと単独者の三人がシュラフに入ってくつろいでいた。よく考えると昼食を取らずにここまで来てしまったようである。食事の支度をしながら、ウィスキーをちびりちびりやる。心地よい酔いがまわってくる。食事が出来るまでの間、携帯で「無事到着した旨」のメールを発信する。食事を終える頃、中年の単独者が到着する。ますます風が強まって暴風といって良いかも知れない状態である。19時過ぎにシュラフにもぐり込み就寝する。

 9月11
 夜(2時半頃)、目覚めると外が静かになっていて、昨日の暴風が嘘のようである。この分だと今日最高の山歩き日和になるのを確信し、安心してまた寝入った。5時半に目覚めると、ご夫婦が「ご来光(写真)がキレイですよ」と教えてくれたので、大急ぎで外に出てみると東の方角が朝焼けで朱に染まってキレイである。また昨日ガスって見えなかった周りの山々がクッキリと見え、ひとしきり景色を堪能して小屋に戻る。昨日の残りで朝食を準備し腹ごしらいを済ます。出発の準備に入り、シュラフ等をザックに詰め込み、管理人に挨拶をして、6時40分に避難小屋(写真)を出発する。
 昨日ガスの中下ってきた道を登り返すと、10分程度で南北に長い頂上の北端に到着する。昨日は見えなかった大朝日避難小屋が下方に見えている。頂上(写真)からは朝日連峰の盟峰らしく、北方には中岳・西朝日岳(写真)が、その遙か先に以東岳がうっすらと浮かんでいる。西朝日岳から西側に袖朝日岳・桧岩屋山への険しい尾根が続いている。東側には、小朝日岳(写真)から古寺鉱泉への尾根が、また頂上から続く中ツル尾根が、その先には朝日鉱泉があるはずである。南方には平岩山から御影森山を経由して葉山へ向かう長い尾根道が、また鋭角な姿をした祝瓶山は、山頂に雲を被り見えていない。
 山頂から平岩山までの間(写真)は、昨日強風で苦労したガレ場の道を下っていく。所々にハイ松がへばり付くようにはえている。こぶを二つ越え広い鞍部におりきるが、以外と緩やかで昨日とは全然感じ方が違うのには驚くばかりである。平岩山巻道分岐までの登り(写真)は、自然と荒れたのか、はたまた荒らされたのか、いずれにしても固定された道がないことが問題の一端のように感じた。巻道分岐(写真)から平岩山頂へは1分で到着する。山頂は、御影森山を経由して葉山乃至朝日鉱泉に向かうルート上にある。また長井ダムの源頭に当たる山らしく、長井ダム完成記念登頂の標柱が建てられていた。緩やかな平岩の山頂一体にはこぢんまりした松虫草が咲き乱れていた。ここから、祝瓶山〜大朝日岳の稜線上(写真)の分岐点まで進み、今日の体調をみてその後の行動を決めることにして、山頂を後にする。
 前日レインウェアを着込んだ場所通過し、ほぼ最低鞍部に近い「平岩の清水」入口に到着する。往復15分で冷たく美味しい清水が補給出来た。喉を潤し元気が出たところで一路北大玉山へ向かい急いだ。途中から昨日とは逆の東よりの風がでて、心地よい気分で歩ける。バックには丸味を帯びドッシリした平岩山(写真)やその奥にピラミダルで気品ある大朝日山が見えている。北大玉山頂に到着後、一休憩して角楢小屋・大石橋方面分岐へと急いだ。分岐には9時56分に到着する。ここまで足は大丈夫であるが、少し重く感じ入られる。このため、今回は無理をせず、祝瓶山は別の機会にすることに決める。このため、少し早めであるが昼食をここでして行こうと準備をしていると、中年登山者が一名大石橋から登ってきた。この方が、今回のルート上で会った唯一の登山者になる。話をしていると、祝瓶山へのルートは良く整備がされ、歩きやすくなっているので5時間半(休憩見込まず)もあれば大石橋まで下山出来るよとアドバイスしてくれた。また、群馬から来たのなら是非回るべきだと進めてくれるので、歩きやすいのなら廻ってみることにした。急ぎ昼食の支度を戻し、まず大玉山(写真)目指して出発する。
 背の低い笹の中の道を下っていく、整備がされているようには見えないが特に荒れてもいない。最低鞍部から大玉山へ登り返するが、やはり足腰にこたえる。頂上は、三角点の周辺を3m真四角に刈り取っただけで、標識等はなにもない。大の字に寝ころびながら休憩する。気持ちがよく眠り込んでしまいそうである。20分ほどで出発する。途中、祝瓶山の絶景ポイントに来たが、残念ながらガスで何も見えない。また、疲れもたまってきているようなので、フルーツパックで糖分を補給し先を急ぐ。赤鼻手前の水場入口に12時半頃到着する。ここで、残りの水を使って昼食を取る。食後水場に下り水を補給するが、ここの水は鉄分が多くサビ臭がする。水場入口から祝瓶山荘方面への分岐である赤鼻へはすぐであった。
 ここからいよいよ最期の急峻な登りに入るが、ただ今しばらく道は下っている。最低部の標高は、920m程度で祝瓶山への分岐まで約450mの登り返しとなる。ここがかなり辛く、足に痛み等はないが足取りが重くなかなか前に進まない。分岐間近の登りは岩場が続き、ヒョイと岩を駆け上がると分岐の標柱が立っていた。時間は15時10分で随分時間がかかってしまった。これから祝瓶山頂往復は最低30分必要であり、下山途中で日が暮れてしまうことが考えられたので、山頂は次の機会にすることにし、そのまま下りはじめる。途中、振り返ると先程までのガスが晴れ、祝瓶山(写真)がクッキリと見えていた。鈴出の清水入口に着くと、せせらぎの音がはっきり聞こえてきて、いかにも涼しげで冷たい清水が喉を潤していく感覚にひたれた。清水入口から15分ほどで荒川沿いの分岐に到着する。時間は17時30分で薄暗くなっている。祝瓶をあきらめ正解と納得した。分岐から大石橋を渡り登山口に17時55分に到着、長い本山行が終了し、つくづくよく頑張れたと自分で感心する。
 駐車場からR113号に出て、小国市街のスタンドで温泉情報を仕入れ、小国町温泉健康館『ゆ〜ゆ』でサッパリとした。この日は疲れもあるので、道の駅『白い森小国』の駐車場に車を止め、車中でグッスリと就寝する。

 9月12
 夜中3時に起床し、3時半に道の駅を出発する。ルートは来た道をそのまま引き返す。R290号では、行きは夜中走っていたため判らなかったが、新潟・福島豪雨災害の爪痕が各地に残っていて当時の雨の凄さを物語っていた。新潟県の湯沢で疲れがピークに達しため、関越道に乗り移った。前橋間ICで高速をおり自宅には8時10分に到着する。長い4日間で、無事戻ってこられてことに感謝したい。


ル ー ト 上 の 風 景

大石橋

白布吊橋

角楢吊橋

尾根

‖臉亢

白布吊橋

3册蠶澡

に迷膓婿撹婉瓩ら
大石橋へ下る尾根

御来光

小屋

頂上

西朝日

ト鯑饐屋から
望む御来光

β臘日岳
山頂避難小屋

大朝日岳山頂

大朝日岳から
西朝日岳方面

小朝日

ルート

平岩

大朝日

大朝日岳から
小朝日岳方面

平岩山へのルート

鞍部から平岩山

平岩分岐から
大朝日岳

稜線

ルート

大玉

祝瓶

平岩山から
祝瓶山方面

北大玉山から
平岩山へのルート

大石橋方面
分岐から大玉山

偉訖業根から
祝瓶山


              ***Botanical Garden から転載***
 ウメバチソウ(梅鉢草)  ユキノシタ科 学名:Parnassia palustris 花期:夏〜秋 山地や平地の湿地に生える多年草です。花は梅鉢の紋に似ています。


  

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