平成16年10月16日(土)−17日(日) 曇/晴
辻山・薬師岳・観音岳・地蔵ヶ岳・高嶺 2585m/2780m/2840m/2764m/2779m

【 ル ー ト 】

 10月16日:夜叉神峠登山口(6:06)(29)五本松(19)高谷山分岐(2)夜叉神峠(58)杖立峠(68)苺平(20)辻山(8)苺平(35)南御室小屋(36)ガマの岩(26)薬師岳小屋(12:50)泊

 10月17日:薬師岳小屋(6:30)(7)薬師岳(21)観音岳(12)鳳凰小屋分岐(30)赤抜沢ノ頭(7)賽ノ河原(6)赤抜沢ノ頭(31)高嶺(32)白鳳峠(75)白鳳峠入口(11)広河原大樺沢出合(11:09)⇒(43)夜叉神登山口(12:42)

 10月16日 歩行時間:5時間1分、山と高原地図16:7時間30分、駐車場:夜叉神登山口50台(無料)WC?、三角点:辻山 三等「」、薬師岳小屋:1泊2食付7800円、昼食代1000円(美味しくない)、水場無し

 10月17日 歩行時間:3時間52分、山と高原地図16:6時間20分、三角点:観音岳 等「」、高嶺 三等「」

【 メ ン バ ー 】

二人(フー、コシクン)


 10月15
 
2040分に自宅を車で出発する。いつものように内山トンネルを越え佐久へ、R141号を南下し山梨県に入る。旧芦安村に到着、車規制をしているが夜叉神登山口までは車で入れ、まだまだ駐車も可能と教えてもらい先に進む。夜叉神登山口には16010分に到着する。駐車場には10台程度駐車されていた。「コシクン」との待ち合わせの6時まで仮眠することにする。タオルケットにくるまっていたが、4時半頃寒くて目覚めシュラフを広げもぐり込んだ。

10月16
 
610分、今回のパートナーである「コシクン」と登山口で落ちあう。かなり冷え込んでおり重ね着の厚着で歩き始める。天気は予想に反して生憎の曇りである。リンクをはって頂いている「ちぃにぃ」さんの9月の登山記によると、登山口から夜叉神峠までは花盛りであったらしいが、見かけたのは、咲き遅れたと思われるトリカブト1本のみで、冬が間近に迫っているように思われた。幹が5本に別れた『五本松』を通り過ぎる。
 
うっすらと汗ばんでくる頃、『高谷山への分岐』に着き、そこから2分で『夜叉神峠』であった。峠には、夜叉神峠小屋が建っていて週末中心の営業を行っているようであった。また登山指導員駐在所の看板もかけられていたが、時間も早いのか閉まっていた。峠からは緑の中に赤や黄色が点在する周辺の山々が見通せた。その周辺を低空でヘリコプターが飛んでいて、山小屋関係の物資の輸送を行っているのかも知れない。
 体が温まったことから、上着を一枚脱ぎ去り、続々と登山者が登ってくる峠を後にする。少し下ったあと『杖立峠』までダラダラの緩い登りを進むことになる。この区間は、樹林帯の中の道のため景色は良くない。登るに従い木々の間から白峰三山の迫力ある山体が望めるようになってきた。約
50分程度登ったところで一休みを行う。あと同様の時間登ると杖立峠かと話しながら進むと、5分で峠に着いてしまった。
 
二人とも普段よりゆっくり歩いているつもりであったので、2分の1の時間で着いたことにびっくりである。距離はあるが緩い登りであることが、この時間で着けた理由と思われる。5分しか歩いていないので、次の目標の『苺平』に向けてそのまま歩を進める。峠からは、それまでより登り勾配が急になってきた。…が、それまでの勢いがそのまま続き、歩きが順調である。また、より白峰三山等景色が見えやすくなってきたことも影響しているかも知れない。約1時間登り休息するが、冗談でまた5分で苺平に着いてしまうのでないかと言い合っていたが、10分で到着してしまった。(笑)
 
苺平でまだ9時半であり時間もあるので、頂上の西側が好展望らしい『辻山』に立ち寄ることにした。小さな手書きの標識が取り付けられており、辻山往復40分と書かれている。ザックを苺平に置き、空身で向かうが、道はあまり歩かれていないようで、ハッキリしない部分もあるが、テープが数多く付けられていて迷うことはない。しかし、鳳凰三山の縦走路と比較すると鬱蒼とした感じでなおさら荒れていることが目立ってしまうことはゆがめない。
 
20分弱で茂みから木々も枯れて広々とした山頂に飛び出す。北側から西側、そして南側に至るパノラマがひらけている。また鳳凰三山上空は曇りであるが、見渡せる範囲は青空が広がり、また陽が射していて景色は最高である。北側に八ヶ岳その右隣に噴煙を上げる浅間もうっすらと見えている。八ヶ岳の左には蓼科山の特徴ある形見える。さらにそのとなりに小さくであるが初冠雪した北アルプスの乗鞍岳?が見える。西側は荒々しい北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山が指呼の間に迫力ある姿を見せている。北岳の右隣に仙丈ヶ岳が優美な山体を見せている。左側から南にかけて奥深く重層的に南アルプスの山々が連なっていた。納得のロケーションといえた。また、山頂を少し下がった所から、富士山もクッキリ浮かんでいる。また北側には、これから向かう薬師岳と観音岳が特異な岩形を見せていて、これからの山歩きを期待させてくれる。景色を堪能して辻山をあとにした。
 
『苺平』に戻り、次のポイントである『南御室小屋』を目指し歩みを進める。小屋は鞍部にあり、シラビソ林の中を下っていく。小屋には、水場があり、チップ制のトイレもある。また、緊急用のヘリポートも設置されていた。また、ここはテントサイトも併設されていた。同所で少し早いが昼食とする。また冷たい清水なので、持参した水と詰め変えてあとにする。
 小屋からシラビソ林の急な勾配を登り返す。
40分程度で巨岩が散在する地区に入ってくる。『ガマ岩』と標識のある巨岩があり、ここからの展望も非常によい。さらに10分程度進むと『森林限界』らしく樹木がまばらになり、花崗岩が風化したマサが堆積する巨岩地帯になってくる。ここまで進むと今夜宿泊する『薬師岳小屋』はもうすぐである。
 
5分で下方に小屋の屋根が見えてくる。巨岩部を下りはじめると、途中巨岩が組み合った大きな隙間があり、天然の室に使っている空間らしい。また、同所には氷柱がぶら下がっていて、すでに寒さ厳しいことをものがたっていた。ここから小屋はすぐで、1250分に到着した。小屋で受け付けを済ませ、寝床位置とザック置き場の確認を行った。夕食が17時半、消灯20時、朝食6:00とのことで、明日の弁当も含めて8800円であった。
 
小屋への到着が予想より2時間ほど早く、これからどう時間をつぶすかが問題となった。小屋前のベンチに腰をおろして、500円のビールで喉を潤す。このあと、コシクンが持参した焼酎を二人で飲みながら話をしていると時間が過ぎていく。
 
その間、次々と宿泊するハイカーが到着する。小屋の前には、「本日は満員で予約者以外宿泊できません」の張り紙がされていた。それでも宿泊を頼むハイカーがおり、南御室小屋か鳳凰小屋を進められている。日が陰ってくるに従い肌寒くなって来たので、小屋の中の食堂でさらに時間をつぶす。食事の前に夕焼けを見に出かけ、その後17時半から食事が始まり、食後に寝床に付く、20時の消灯となった。

10月17
 
4時半頃から起き出しご来光に出かける方や早出の方もあり、寝ていられない状態であった。5時半に電灯がつき、540分の日の出を見に出かける。黒い富士に赤い陽が放射するように浮かびあがりキレイである。ご来光を堪能し6時からの朝食に間に合うように帰ってきた。朝食を済ませ出発の準備をして、6時半に小屋を出発した。
 
『薬師岳』の山頂まで小屋から約10分、風化したマサで滑りやすい斜面を登っていくと広々とした山頂に到着する。片側に特徴ある巨岩のオブジェが立っている。また前方に鳳凰三山中の最高峰の観音岳とそこへの道が続いている。この日は、風は強いが天気は晴天で、周辺の山々が良く見渡せる最高の日となった。
 
薬師から『観音岳』へは、ほぼ平坦な尾根を進み、最期に一気に登りつめることになる。しかし途中、ガイド付きの団体さんがノンビリ進んでいた為、道になっていない所を通り追い抜き、そのまま観音岳山頂へ登り立った。山頂からは甲斐駒ヶ岳が威切立つ姿を今回始めて見せる。また、雪化粧の北アルプスもほぼ全景を現した。疲れを吹き飛ばすような素晴らしい景色である。さらにこれから向う奇峰の地蔵ヶ岳がそしてドッシリとした高嶺が聳えている。
 観音から『地蔵ヶ岳
(オリベスク)』へは一回下りきり、鞍部の鳳凰小屋への『分岐』を過ぎ、『赤抜沢ノ頭』へ登り返すが、この登りで前日辻山で出合い、南御室小屋でテント泊をしていた方と再開する。かなり寒くあまり眠れなかったようである。登りの途中でわかれ、登りきった尾根を少し歩むと奇岩がある頭に着く。頭にザックを置き、地蔵岳までピストンする。頭から10分位下ると賽ノ河原で、花崗岩のオリベスクが奇立している。河原には水子地蔵が安置され、その遥か先に甲斐駒が圧倒的な存在感を主張している。頭に引き返すと時間は815分であり、この調子で行くと広河原12時発のバスに乗れそうなので、すぐに『高嶺』に向う。
 
薬師から地蔵までは、花崗岩が侵食された奇峰・巨岩の連続と風化したマサの砂礫の山であった。しかし、頭から下りきった鞍部からは、ガラリと岩質が異なり溶岩が固まったような岩になる。高嶺の山頂は、手書きの小さな標識があった。一休み後『白鳳峠』に向け下るが、平べったい礫が敷詰められたような歩き難い急降下である。樹林帯に入ると峠は間近であった。峠で薬師岳小屋で隣に就寝していた御夫婦に追付く。峠を9時半に発ち、礫で構成される斜面を下る。林帯の中に入ると今度は荒廃した道である。部分的に補修で真新しい鋼製梯子が設置されている。下方にダムらしき物とブルーの水面が見えて来ると『白鳳峠入口』は近い。最期に灰色の車道が見えると12分で到着する。高嶺から入口まで、悪路を超特急で下りヒザがガクガクである。峠入口から広河原まで約10分で着き、時間は1110分であった。
 
広河原で昼食を取り、12時発の芦安駐車場行きのバスに乗り込む。1240分に夜叉神登山口で下車し、ここから来た道で自宅まで帰った。帰り着いたのは17時丁度であった。


ル ー ト 上 の 風 景


              ***Botanical Garden から転載***


  

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