平成16年5月15日(土) 曇のち晴 
高手山・西峰・剣ヶ峰山(西武尊) 1374m/1870m/2020m

【 ル ー ト 】

  川場スキー場駐車場(8:13,14:51)←(23,13)→武尊高原川場キャンプ場←(13,-)→雨量観測所←(10,16)→高手山頂←(69,56)→スキー場近接ベンチ←(25,22)→西峰←(9,8)→見晴し良いベンチ←(21,17)→剣ヶ峰山頂(西武尊)
  歩行トータル時間:5時間2分、群馬の山歩き130選:6時間30分、駐車場:スキー場駐車場150台(無料)WCあるがカギがかかっている、三角点:西峰・三等「西谷」

【 メ ン バ ー 】
単       独


  夕方ぐらいまで天気が持ちそうなので、北側の山の状況視察も兼ね武尊山域の剣ヶ峰山へ出かけて見る事とした。6時前に自宅を出発し、7時過ぎに川場スキー場の駐車場に到着する。準備中に熊除けの鈴が聞こえてきたが、山菜取りの方がちょうど戻ってきた所であった。
  挨拶して出発する。武尊高原川場キャンプ場への車止めを越えて舗装道を登って行く。まもなくバンガローが見えてくる。テントサイト・管理棟・バーベキュウサイト・トイレ・運動広場等良く整備されたキャンプ場である。但し、トイレはこの時期はカギがかけられて使用出来ないので注意がいる。管理棟に備え付けられている登山者手帖に記入し、本格的な山道に入り込む。これから歩く登山道は、昭和58年のあかぎ国体で開設されたようである。
  シ゛ク゛サ゛クに登って行くが所々にキャンプ場の施設が点在する。上りきると広々とした針葉樹林帯である。ここから緩やかな登りを10分程度進んで行くと高手山頂に到着する。石祠が無ければ山頂に見えない。「たかて」とは地元の方言で高い所という意味らしく、山仕事や山菜取り等、生活と密着していた山らしい。
  高手から西峰までが結構な距離がある。軽いアップダウンが数度あるほか基本的には緩い登りが延々と続く。右手を見ると川場スキー場が平行に整備されている。樹木が芽吹くとほとんど見えなくなるのだろうなと思いながら進んで行く。途中からカラマツとダケカンバの混合林に変わる。林帯では、ピンクと紫がっかた色のショウジョウバカマが咲いている。
  スキーコースが登山道に接近するようになると、道の両側にベンチのある休憩施設に付く。このあたりは、スキー場整備で登山道が付替えられた所のようである。林帯の中の道を歩いて来たので汗だくである。ここで一休憩しながら長袖を脱ぎ、半袖になる。冷たい風が肌に心地良く感じ、汗もスゥーッとひいて行く。
  ここから、奈女沢の頭はすぐである。この辺りからオオシラビソの樹林帯になる。「頭」から急激に下り登り返すと西峰山頂となる。しかし、段々冷たい風が強くなって来ていて、強風といってもいい位である。
  西峰からの眺望は素晴らしいはずであったが、雲が流れあまり良くない。奥利根の山々も雲がかかり、頂上部分だけが覗いている。また、これから向う剣ヶ峰山も含む武尊主峰群も流れる雲に見え隠れする。北側に角が2本ある鬼のように見える鬼岩も少し霞んでいる。残念であるが致し方ない。取りあえず剣ヶ峰山頂までは出かけることとする。
  西峰から下ると、本コース中一番の残雪原となる。ここを越えると爆裂火口を囲む馬蹄形ピーク沿いに登って行く。途中ベンチのある休憩施設を通過し、急な丸太の階段を登る。1箇所階段が崩れクサリが設置されているところもあるが特に危ない場所はない。
  階段を登りつめると、丈の低い笹原の広々とした頂上台地となり、道は笹原の中を続いている。剣ヶ峰山頂部は、この台地からニョッキと出っ張ている部分にある。出っ張り部への最後の階段を登ると狭く細長い山頂であった。
  山頂に着く頃にはますます風強くなったが、雲が取れて最高の展望が待っていた。北に雪を被る奥利根の山々、東に巡ると武尊主峰群・日光白根・皇海・赤城が、西に巡ると谷川・浅間が良く見える。近場では、玉原湖と尼ヶ禿・鹿俣山がクッキリと浮んでいる。また薄っすらとだが富士山まで見え、超ラッキーな日となった。
  山頂ではハイマツの陰で風を避けながら、絶景を楽しみビールで喉をうるおす。さらに昼食のラーメンを作り、1時間以上ノンビリ過した。また対面の沖武尊には何人も登られているのだろうと思われるくらい、主峰群に残雪が少ない。
  山頂をちょうど12時に発つ。来た道を引き返すので、ほとんどが下りで早い。西峰では振返ると、行きでは雲でハッキリ見えなかった剣ヶ峰山・獅子ヶ鼻山・鬼岩が全貌を見せてくれた。また、剣ヶ峰山の直下にスキー場のリフト最高地点があった。
  高手山の少し手前の日当たりの良い道脇に、ワラビが1本生えているのを発見する。周囲を良く見ると群生していないが、ぽつぽつと生えていた。収獲すると一抱えほどになった。山菜に巡り合ったのは、岩菅山の根曲り竹以来である。山からの贈り物に感謝し、高手山を通りキャンプ場に戻った。また、帰りに富士山ビレッジ付近の道脇に羅生門葛(写真)が群生していた。

ル ー ト 上 の 風 景


  ショウジョウバカマ(猩々袴) ユリ科 シソ科 学名:Heloniopsis orientalis 花期:春
  日本各地の山地で少し多湿なところにはえる常緑の多年草です。和名は花を猩々(しょうじょう:猿の一種)の赤い顔、葉の重なりを袴にみたてたものということです。

  ラショウモンカズラ(羅生門葛) シソ科 学名:Meehania urticifolia 花期:春
  長さが 4,5 センチもある大きな花の形を、京都の羅生門で渡辺綱が鬼退治をしたときに切り落とした鬼の腕に見立てた名前です。そういわれればちょっと不気味な形ですね。山地の林の中などに生える多年草です。

               ***Botanical Garden から転載***


  

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